仙台で開催されている<全日本実業団女子駅伝(クイーンズ駅伝)>実況を観戦していますが、見慣れた街並みが放映されるのは、何か嬉しいものです!
パナソニック、連覇か?
地方都市に於ける不動産投資のリスクを考察
< 2011年2月24日 不動産コンサルタントのページに記載したものを加筆して再掲載します >
http://www.facebook.com/note.php?note_id=200411356651749
仙台市内に於いて賃貸マンション事業を行った土地所有者が何人か自己破産されています。
このような方の共通項を挙げると次のようなものがあります。
1.25世帯以上のRC賃貸マンションのオーナーである。
2.数少ない所有する土地資産に、目一杯の建物を建築している。
3.自己資金は殆ど無く、事業資金は全額融資を受けている。
4.事業計画は予想賃料が下がることなく、むしろ上昇を見込んでいる。
5.入居率を高く見込んでいる。
では、何故不動産事業が破綻してしまったのか考察してみます。
不動産事業を提案された土地所有者は表面的な利回りだけを捉えて不動産投資をしたと思われます。
平成7年前後の仙台市中心部の事業概要は一般的には次の様な内容と想定します。
建築費 27,000万円 37万/坪(共用部を含む) 5階建て 25世帯
戸当り 20坪(専有部) 月額賃料100,000円 (3LDK相当)
資金 全額借入 35年 金利3.0% 定額償却
空室率 5%
このような条件で計算しますと、収入は年間2,850万円ありますが、借入金返済額は1,260万円程あり、他の経費を差し引きますと当初5年の年間収支は1,400万円になります。
不動産所得税を払った後の実質収支でも1,000万円程手元に現金が残ります。
しかし、設備関連の償却が完了する15年以降については不動産所得が急増し、実質収支は500万円程度に激減してしまいます。
その後も借入金の金利分の減少により、不動産所得額が増加し、実質収支は更に減り続けることになります。
仙台市内でも周辺部に於いては同時期、次の様な事業概要と想定します。
建築費 27,000万円 37万/坪(共用部を含む) 5階建て 25世帯
戸当り 20坪(専有部) 月額賃料70,000円 (3LDK相当)
資金 全額借入 35年 金利3.0% 定額償却
空室率 5%
このような条件で計算しますと、収入は年間2,000万円程ありますが、借入金返済額は1,260万円程あり、他の経費を差し引きますと当初5年の年間収支は500万円になります。
不動産所得税を払った後の実質収支でも460万円程手元に現金が残ります。
しかし、設備関連の償却が完了する15年以降については不動産所得だけが急増し、実質収支100万円以下に激減してしまいます。
その後も借入金の金利分の減少により、不動産所得額が増加し、税額増加で実質収支は事業開始20年目辺りで実質収支は殆どゼロになってしまいます。
このような厳しい現実に追い討ちを掛けているのが、空室率の上昇と賃料の下落です。
仙台圏に於いては賃貸住宅の空室率が20%を越えており、それに伴う入居者の引き抜き現象で賃料が下落し、大きく事業計画を狂わせています。
環境的には恵まれている中心部の事例であっても、空室率が20%で、賃料の下落が2年毎に3%とした場合には事業開始20年後に実質収支がゼロになってしまいます。
当然ながら、仙台市内の周辺部では更にその時期が早くやって来ます。
土地の評価が高い所であれば資産売却により借入金の返済も可能なのでしょうが、地価が下がり続けている周辺部に於いては売却による債務抹消も出来ない状態となります。
27,000万円の借入額は13年後で残債が20,000万円もあります。
年収が2,000万円程度の一棟売りマンションは粗利回り10%とした場合でも、20,000万円にしかなりません。しかしこのような粗利回りでは買い手が付きません。
今後の空室率の上昇と賃料の下落を考えますと、買い手は粗利回りは13%以上を要求することでしょう。
資産売却も出来ず、借入金返済や所有経費の支払が滞れば事業は破綻してしまいます。
自己所有の土地建てた場合でもこのような状態ですので、土地建物で購入し投資した方に於いては問題が更に深刻です。
このような状態を未然に防ぐには土地建物オーナー側に立ったアドバイスが重要になります。
建物を建てさせる営業ではなく、不動産事業を客観的に判断し、不動産事業をいろんな観点から土地オーナーに解説する人が必要になります。
不動産コンサルティングマスターとして、今後も研鑽していかなければいけないことを痛感する次第です。
「家賃並みの支払い(ローン)」という落とし穴
<2012年2月29日の記事を再掲載します>
デフレ現象が長引いている現在でも若い方々の持家志向は健在のようです。
将来の生活不安に煽られ、リタイヤ後に家賃の掛からない住宅を確保して置きたい。
まして、「家賃並みなら買った方がお得くですよ!」というセールストークに乗ってしまうのも理解できます。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
例え家賃並みであっても、その他に維持経費が掛かります。
固定資産税・都市計画税、将来の修繕に要する資金の積み立て、庭木の維持費等々。
地方都市であっても、年間20万円以上は覚悟しなければなりません。
それより、もっと考慮しなければならないのは、日本の住宅価格の時間劣化です。
10年で新築価格の1/2になってしまう中古住宅市場という現実です。
木造住宅でありながら35年のフルローンが組めるという新築住宅優先という偏重政策も問題です。
その辺りを表すと次のような図表になります。
新築で購入しても入居した時点で中古住宅となり、売却しようとしても10~15%程度の下落は避けられないでしょう。
購入10年後の時点で、事情により、その住宅に住めなくなった場合はどうなるでしょうか?
35年ローンを組んでいる故、残高は左程減っていません。
売却するにしても売却価格は半値では数百万円の追い金が必要となります。
売却が不可能となり、賃貸にした場合でも月額のローン支払いより安い賃料しか得られないという現実があります。
ほんとに自分の資産に成り得る時はローン完済した時です。
それまでは、「家賃並み!」などというトリックには十分注意すべきです。
その家賃も年々下がり続けています。
今後も空家が増え続け、2,30年後には30~40%にもなるとうレポートもあります。
そんな30年後の家賃、いったい幾らになっていると思います?
日本のエネルギー行政
今日の朝刊に載っていましたが、「東北電力の社長は25日の定例記者会見で、太陽光など再生可能エネルギー固定価格買い取り制度に基づく契約受け入れについて、中断も含め対応を検討する方針を示した。買い取りが急増して電力の需給バランスが崩れ、送電設備の事情から停電などのリスクが生じる恐れがあるため。」との事。
その要因は「電力需要に対する供給力は太陽光と風力だけで78.9%に達する。」からだそうです。
再生エネの取り組みが進んでいると言われているドイツでも「2022年までに原子力エネルギーを段階的に廃止し、2050年までに、電力の80%を再生可能エネルギーでまかなうことを目標にしている」のに、これが本当なら、日本は再生エネ利用率が一気に世界一になってしまいます。
日本のエネルギー行政は「電気はクリーンエネルギー」と称し、多くの電気を使わせる方策を取ってきました。
オール電化住宅もそのひとつです。
更にその電気を自分で賄いましょう!と連係型太陽光発電を奨励してきました。
その結果、1世帯当りの電気料金は年間平均で月額4万円にもなっています。
家庭用の電気料金は大震災後30%も値上げされており、今後も値上がりが続くでしょう!
太陽光発電を導入し、オール電化にした家庭では、上手く稼働しても採算ギリギリであったものが、今後採算割れになることは確実になると思われます。
1978年の宮城県沖地震を経験した私は、28年前に自宅を新築する際、家庭での「エネルギー3分割」を図りました。エネルギーのリスクヘッジです。
給湯、お風呂、床暖房の熱源は灯油で、煮炊き用はLPGとし残りは電気としました。
その結果、灯油の使用量は年間500L、電気料金は年間7万円程度、LPGについては年間1.5万円となっています。
電気料金については2年前に導入した「独立型太陽光発電システム・電気畑」により50%程低減しております。
今後は蓄電能力を高め、100%低減、すなわち全量自家発電を目標にしています。
(100%は理想ではありますが、雨や発電効率が悪い時期を考えるとプラントの規模が大きくなり、多額の費用が掛かるため、70%程度での運用を行っています。2017年3月27日加筆)
「クリーンな電気を使いましょう」と囁かれ、麻薬のように電気漬けになってしまっては、原発による電気にも手を出してしまうでしょう。
皆さん、この辺で意識改革されては如何でしょうか?
電気は貯めることが出来ません!
13~14年前の環境関連の雑誌に出ていた東京電力のCMには「電気は貯めることができません!」。
だから原子力発電が必要です。という意のコピーが出ていました。
ピーク電力に合わせ原子力発電所を造り、稼働調節のし易い他の発電施設で全体の供給電力を調整していこう、というものだったと思います。
確かに発電側(供給側)の大規模な蓄電能力は陽水発電を除けば見当たりません。
そこで発想を転換してみてはどうでしょうか?
電気畑構想で展開中の「独立型太陽光発電システム」は通常の太陽光発電システムと異なり、太陽光で造った電気をバッテリー(12V)に一旦蓄えるようになっています。その直流電源をインバータを介して交流電源(100V)に変換し、家庭の電気製品に利用しようというものです。
この一部分を応用し、各家庭で深夜電力等をバッテリーに蓄え、電力需要がピークになる時期に貯めた電気を使うということはどうでしょうか?
一般家庭が一日使用する電力はバッテリー6台程で賄いきれます。ピークカットの目的だけであれば2~3台で十分なはずです。
バッテリー充電器、100Ahバッテリー、インバータがあればこの装置が完成します。5万円程度でDIYが可能です。
今後、スマートメーターを普及させようという背景には電力単価を微細に調整させるという意もあるようです。
利用者が少ない時は安く、多い時には高く、ピーク時には更に高くするということも簡単に出来てしまう訳です。
これからの時代、家庭での蓄電設備は重要になってきます。
ピークカットが出来れば、電力需要が逼迫することは無くなり、何と言っても良い事は、原子力発電所の再稼働を阻止することができます。
DIYで出来る家庭の蓄電システム、皆さんも如何ですか?
(元記事は2011年10月に書きました)